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第二十四話 女
コノ物語は
性的表現、グロテスクな表現などを含む上に 作者(背後及び代理背後)の 自己満足によって構成されています。 物語を読んだ事によって 暗い気分に陥ろうが 死にたい気分になろうが 腹が立ってこようが 作者(背後及び代理背後)は一切 関与しません。 続きモノな割に、間が可也あいてしまったので 前話を読みかえす事をオススメします。 上記を了承した方のみ 物語をお楽しみ下さい(一礼
」」」
― 何故 風と成せんッ!! 叱責に番人達は身を縮こませる 白地にグレーの鬣 黒筋の文様を持つふた周りも大きな狼は 苛立たしげに牙を剥いた ― 禍人、森を統べ既に二年…… 未だ 我らは森を戻せず在る…… 憤慨を番人達は静かに聞く 確かに 彼の青年の縄張りに入った者達は すべからく追い払われる しかし と 番人達は心中で付け加える 青年は 刃向かわない者に危害を加えない。 飢えた仔狼に肉を分け与えた事もある程だ 番人達は思う 果たして 本当に彼の青年は「禍人」なのか 本当に 彼は 死を降らせるのか 確かに先代 森の王は風と成った しかし 先代森の王は いつ死んでもおかしくない程の高齢だったのだ もし 彼の青年の存在が 森の王を生き長らえさせていたとすれば… 『禍人』の意味合いは180°変わってくる ― ……………。 自分達は 従うべき者を誤ったかもしれない。 鮮やかな存在の憤慨を遠くの事のように聞きながら 番人達は静かに 怒りが静まるのを待っていた。 」」」 遠くの意思に耳を傾け 青年は樹上を疾駆する。 巨狼を失った当時 まだ未熟であった青年が生き残るには 番人の牙の届かない樹上が都合が良かったのだ。 視界も広く森の中なら移動に事欠かない 果樹なら食事にも困らず水樹なら渇きも癒せる 攻防に優れた場所である。 そして ―――…ダレカイル… ざわざわと騒ぐ樹の意思に耳を傾ければ ―――…ダレカキタ… 情報の宝庫であった。 ヴゥルルルル ― …誰だ…… ―――…ダレカキタ… 樹の示す意思の方向へ 鼻先を向ける ― …ニンゲン…… 気配を捉え 樹上を駆けだす 長く伸びた鬣は枝にかかる事無く 重力に従い靡いた。 」」」 狼の声がする 遠くではあるが恐怖があった その人間は 背に届く髪を揺らし足早に森を通る ウェーブがかった漆黒の髪 人間は女である ―― ……不気味だな…。 薬草を手にして駈けるが 何かにつけられている気がしてならない 肩越しに後ろを見ても誰も居ない しかし 確かに気配はある ――― ルルルルル。。。 喉奥で唸る声 間違いない つけられている ―― ……。 しかし 何処にも居ない 狼でなければ何なのか ――― ルルルルル。。。 ― 去れ…… うなり声は意思を持っているのは解るが 何を意味するのかはわからない ――― ルルルルル。。。 ― …去らぬか…… 意思は明確な殺意を孕み始め 恐怖に身が竦む ヴァルルル……… ― 侵入者… 近くなる気配に足を止めた瞬間 ――― ザッ!! 眼前の一寸先を 何かが掠めた 「……っ!!」 パラパラと前髪が数本落ちる あと 一歩踏み出していたら危なかっただろう 「……………。」 冷や汗が頬を伝う グルルルル…… ― 其、この地に何用か…… びくりと緊張状態へ 新種のモンスターだろうか…… 近い唸り声に視線を上げる ―― ………ぇ…? グルルルル……… ― 我が縄張り 何人たりとも犯すを許さず 上半身背を完全に覆う髪伸びる褐色の手足 ―― ……ひ…と……? しかも、恐らく男だ ― 去れッ! グガァァァッ ―― やっぱり 人間だ……。 あれは尻尾……?…ストライダー……? 意思を読むことのできない女は 唸る灰色ストライダーに首をかしげる 彼の警告など わかるはずもない ―― …………。 その場で静かに膝をたたんだ グゥルルル。。。 ― ……去らぬか… 「……おいで。」 ― …………?! 「大丈夫だ……傷つけたりしない……おいで。」 その場にしゃがんだままで 女は手を差し出す グゥルルル 警戒剥き出しで見つめる灰ストライダーに 信頼させるよう 笑みを浮かべる よくわからないが 獣が人を襲うのは縄張りへの侵入以外に 恐怖からと言うのがある 即座に攻撃に移らない所を見ると 彼は恐らく後者なのだろう なんとなくだが 彼は無闇にヒトを傷つけたりしない気がしたのだ グルル。。。 一方、彼も 女の目に浮かぶ意思に懐かしい感情を覚える 一体何の感情だったのか…… 思いだそうと自問自答を繰り返していた ―5分が経過した 双方動かない ルルルルル。。。 ― ……何者だ…? 害でないと判断したのか ゆっくりと にじり寄る 灰ストライダー 女は微動だにせず 笑みを浮かべている ―――ふんふん 首を伸ばし 鼻を鳴らして 指先の匂いを嗅ぐ 甘い 浮かぶような いい匂い 感じたことの無い何かに戸惑う 「……大丈夫だ…。」 見つめる 笑みに細められた琥珀色の瞳 ― ……………。 腕 肩 首筋 匂いを嗅いでいく 女はされるがままだ 「………ぁ…。」 至近距離 青年の鬣の隙間から女と目があった。 黄色に見えた女の瞳はよく見れば茶けても見える 見開かれたソレは意外に澄んでいて 敵意の無いことを示している 「おまえ…目…綺麗だな…////」 鼻の触れ合う至近距離 すこし目を逸らした女 自分の優位を確信し 灰ストライダーは興味を次に移した 声を発する 柔らかそうなそこ ―――ぺろっ 「……………………………?!/////////////」 硬直 ― ……甘い… 舐めた唇を今度はぱくりと口に含む 「……?!?!?!////////」 混乱する女に構い無く 思った通り甘く柔らかい唇を舌先で弄んだ 「!!///////」 後ろにバランスを崩し 仰向けに倒れる女 ルルル… ― …服従…示すか… それは大いなる勘違いだったのだが 驚きのあまり動けない女にそれを示す余裕は無い 喉元を舐められ息を飲む 同時にぞくりとナニカが背中を駆け抜けた 鼻先は体をなぞり やがて胸をつかんだ 「はンっ/////」 ―――ドンっ 突き飛ばされ 驚き距離を取る灰ストライダーに女は胸を庇うように手を当て飛び起きる 「――ッ、何処触ってるんだッ!/////バカッッ///////」 目は潤み頬は高揚して砕けた腰を押さえ ぺたりと座ったまま怒鳴る姿 迫力 皆無 ― ……なんだ…? よくわからないが怒っているらしい ― …。今回は見逃そう…………。 ぎゃぁぎゃぁ騒ぐ女にうんざりと背を向ける 敵意は無いのだから捨て置く事にしたのだ 「コラッッ!待てッ逃げるなぁぁぁッ////!!!」 去る 灰ストライダーの背中を睨みながら 女の砕けた腰は いつまでも立ち上がることが出来ずにいた |
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